図書館ユニオン学校図書館分会結成
東京図書館ユニオンに学校図書館分会が7月2日に結成されました。
杉並区立学校司書の中村由美子さんが、2度目の報復解雇をストで撤回させたことをきっかけに、司書仲間の組合を作ろうと決心したことがきっかけでした。
中村さんは解雇撤回の実績を確信に、6年雇い止めの心配を抱える仲間に呼びかけを開始、今度の結成へ結実しました。
中村さんは4年前に校長らのいじめに遭い、妊娠をきっかけに解雇されそうになりましたが、組合に加入して闘い、一年後に復職します。
ところが契約満期の今年3月、中村さんは再び教育委員会から報復的な更新拒否を受けます。そして今年3月1日の公共一般全都統一ストに、中嶋委員長と共にスト決行して、見事に解雇撤回・雇用継続を果たしました。 杉並区では、6年有期雇用制度に非常勤職員は長年苦しんできました。学校図書館分会結成を力に今後は更新年限撤廃・低賃金底上げ・学校図書館の偽装委託解消をめざして、区内・全都へ運動を広げようと誓い合います。
結成会後の交流会で、仕事にかける熱い思いがこもごもに語られました。 「ある子はね、家に帰る前にここに図書館があって良かった!て言ってくれて嬉しかった」
「貸し出しが5倍にもなっていった卒業生徒がね、もう1年遅く入学したかった、と言われたときは感動した」
「まるでジャイアンの様な子がね、オレさ、図書館が一番よかったんだよ、だって」
学校司書たちは、子どもの成長にこのように関わりながら、日々情熱を注いで仕事をしていることが熱く語られ、熱のこもった交流となりました。
◆分会長の決意のことば◆
このたび、学校図書館の分会長となりました、中村由美子です。
書記長を務めてくれる前田さんの言葉を借りますと、「言い出しっぺ」の中村、といったところでしょうか。
学校図書館の司書は、よく司書教諭と混同されますが、教諭はあくまで授業が主体です。
図書室の整備や整頓など、学校の図書室の業務全般をになうのが「司書」です。保健室の先生の図書室版といえばわかりやすいでしょうか。勤務形態はさまざまで、都内公立の小中学校をみますと、ボランティア、パート、非常勤、委託等々、基本的に正職員はいません。
学校図書館に人員を配置することは、予算さえ許せば誰も反対しません。そのために配置が増えていますが、その結果は官製ワーキングプアの温床の一つとなっています。
雇い止めのない職場の実現をめざしていきます。
(※公共一般機関紙「公共一般」(2016年7月26日526号)より引用)